利他的行動の進化
利他的行動は、一見すると自然選択説と直接に対立するように思われる。生物はあらゆる時間あらゆる場所で競争を行っており、生存と繁殖成功度を増大させる行動は集団中に増加し、減少させる行動は集団から取り除かれるはずである。したがって、現在見られる生物は競争に生き残るために自分自身にとって有利な形質を多く持っているはずである。たとえ損失がわずかでもあっても、行為者の適応度を低下させるならその行為は進化の過程で取り除かれるはずで、動物の行動はすべてが利己的なものだと予測できる。しかし実際にはそうではない。
その中では子供を守る行動は比較的理解しやすい。子供を成長させることができなければ、親がいくらうまく生き延びてもその形質が受け継がれることはない。自然選択から考えても、親による子の保護は当たり前のことに思える。
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自分の子を守る以外の行動については、それを説明するいくつかの説が出されてきた。代表的なものを以下に挙げる。現在では互恵的利他主義と血縁選択説による説明が一般的であるが、かならずしもその二つで全ての利他行動が説明できるわけではなく、正確にはその二つは利他的行動が進化する条件の説明である。また説明困難な利他行動と思われた行動が実は利己行動だと判明した例もある。
これは、自然選択によって増減する単位を集団に求める考え方である。つまり、種(個体群)にとって有利になるような習性や行動は、個体にとっては不利でも、その集団を有利にするから自然選択によって進化すると考える。